力強い加速とレスポンスの良さが魅力
カワサキ初のEVスポーツバイク「Ninja e-1」では、モーターの特性を活かした走りが体感できるだろう。定格出力は0.98kWと控えめだが、最高出力は9.0kW(12PS)と十分なパワーを発揮する。さらに、最大トルク4.1kgmを0-1600rpmの低回転域で発生させるため、ゼロ回転からの加速が素早い。
この特性を生かし、ニンジャe-1には2つの走行モードが用意されている。ECOモードでは街乗り向きの穏やかな加速感だが、ROADモードにすると力強い走りを体感できるだろう。パワフルな加速を実現するだけでなく、スロットルレスポンスも良好である。
加えて、eブースト機能を使えば一時的に最高出力とトップスピードがアップする。この機能は15秒間のみ作動するが、ゼロ発進時の瞬発力や上り坂での加速力が大幅に向上するため、スポーツ走行の楽しみが増すことだろう。
静粛性と軽快な操縦性にも注目
エンジン音がないため、ニンジャe-1の走行は非常に静かである。タイヤノイズやサスペンションの動きなど、普段は雑音に隠れがちな音が聞こえてくるかもしれない。その分、周囲の景色や音に集中しやすくなり、ストレスのない走行が可能になるだろう。
また、モーターのジャイロモーメントが小さいことから、ハンドリングは軽快だ。ホイールベースは1370mmとニンジャ250/400と同等だが、コーナリング時の切れ味は良好である。さらに車重は140kgと軽量なので、取り回しの良さも魅力的だろう。
ブレーキについては前後ディスクブレーキを採用し、ABSも標準装備される。リンク式のリヤサスペンションは作動性と踏ん張りを両立しており、スポーツライディングにも対応できるセッティングとなっている。
航続距離とバッテリー交換で実用性もある
航続距離はROADモードで60km/h定地走行で55kmとされている。これは十分な実用性があり、通勤や通学に使えるだろう。さらに、eブーストを控えめに使えば、この数値を上回る走行が可能だろう。
バッテリーは2つ搭載されており、それぞれ11.5kgの軽量設計となっている。バッテリーカバーを開けば、個別に取り外しができる。これにより、1つずつ充電したり、予備のバッテリーと交換するなどの運用ができる。充電時間は最大7.4時間と長めだが、出先での充電にも対応できる。